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『宮本常一のまなざしを追って~福栄の里~3.20』
民俗学者宮本常一氏の足跡・まなざしを追うこの活動も2007年より毎年継続して、本年で7年目となりました。

今回の訪問先は旧福栄村地域ですが、以前より親交のあった波多放彩氏の勧めもあって
『阿武川ダム水没地区民俗調査』(S43,44)に併せてこの地域を調査された記録です。

私たちも地元総合事務所のご協力を頂き、事前に場所のご教授いただくなどして大いに助かりました。
また、NPO担当のY理事がかつて同地区の事業所に勤務されていた土地事情通にも大変助けられました。
ただ、半日の行程では予定した全部を消化できず、今後機会を改めての訪問となりますが、
丁度二日前から特に黄砂がひどくて、遠望する写真については霞んで全景が見えない程でした。
一回目で場所の確認ができたということが大きな成果でもあります。
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民俗調査では近隣地域を含めて調査実施することで生活文化の関わり、伝承などをみるうえに大切であること、
今回はこれまでと特に違って、石造物について関心度の高さを感じ、その多くが近くの鍋山の石材が使用されていて、
早い時代から石材加工がされていた様子などが伺えました。
また、仏光寺の中に見る過去の地頭職の墓石が楼門の基礎石に使用されていることや、
五輪塔の多くが半ば残欠状態となっていたのは時代の勢力の流れの大きさの縮図を感じさせられました。
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この地区に特に多い隠れキリシタン関連と思わせる石造物、他地域にはない像の多さも感じさせられました。
宮本氏が本調査でこの様な特徴を感じながら実施されたことかと想像を膨らましながらの今回のフィールドワークでした。
ただ、メンバーの一人が参加できなかったのは大変残念でした。
今後も継続しての取り組みは成果の発表など継続していきます。
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by npomachihaku | 2013-03-27 14:36 | 学芸サポート・古写真班
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