『宮本常一のまなざしを追って~佐々並・宿場町を歩く~9.12』~佐々並おいでん祭に向けて~ 
暑かった夏も過ぎ去り野山では萩の花やススキが風に揺れています。
田んぼのあぜ道にはもうじき彼岸花が咲き乱れることでしょう。
今回のフィールドワーク報告はそんな風景がぴったりなじむ佐々並地区です。
佐々並は萩藩の主要街道であった萩往還の宿場町として栄えたところです。

2005年(平成17年)3月に周辺町村とともに萩市に新設合併、「旭村佐々並」から「萩市佐々並」へとかわりました。
また2010年(平成22年)には萩市で第4番目となる伝統的建造物群保存地区に決定された佐々並市が、
2011年(平成23年)には重要伝統的建造物群保存地区(重伝建地区)に選定されました。
周囲を山に囲まれた小さな集落ですが、地元をよりいっそう盛り上げていこうとする熱い情熱を感じさせてくれるところでもあります。
d0046290_11325380.jpg


少し寄り道をして佐々並音楽堂~田ノ原の大樫~長高小学校跡~国境の碑を経てようやく目的地の佐々並市へ。
宮本常一氏のまなざしを追って、佐々並市、久年地区を中心に現在のポイントを確認して廻りました。
立派な虫籠窓のある大きな民家に古い写真そのままと思いきや、そのお宅は実は全くの別物で
写真のお宅はきれいに新築されており往時をしのばせるものは何ひとつ残ってはいませんでした。
過去に何度も記してきましたが旧いものが壊され姿を消していくさまを目の当たりにし、
せめて今のこの現状を自分の記憶にしっかり焼き付けておきたいと思うようになりました。
d0046290_11342923.jpg


昼食をはさみ午後からは公民館長であるS氏の案内のもと、範囲を広げての確認となりました。
行きつ戻りつ、ここではない、あそこも違う~写真と目の前の光景を見比べ何度も写真を撮りなおし、時には意見の相違も。
往時との差が大きければ大きいほどその度合いも強くなります。
ただここのところ地元の方の同行が続き適切な助言をいただくことが多く「ほとんど確認できたから消化不良にならんかった」
との感想がすべてを物語っているかもしれません。
d0046290_11352227.jpg


余談ですがこの日の課題とは直接の関係はありませんが「沈水橋」を渡ることができました。
「沈水橋」またの名を「潜水橋」「沈下橋」「水深橋」「深水橋」等々ところによっていろいろな呼び名があるようです。
d0046290_21503236.jpg


一昨年以来たくさんのかかわりを持った川上地域の関連写真(舟戸橋)の中で目にする機会がありましたが、
今回は佐々並ダム上流の佐々並川に架かる橋でした。
(http://machihaku.exblog.jp/11418422/)
川岸では白鷺が羽を休め鮎が泳ぐ流れをのんびり眺めながら、一方で雨で水かさが増すとこの橋を越えてしまい
今とはまた違った顔を見せるのだと、話には聞いていましたがまさに「百聞は一見にしかず」でした。

昨年は明木、今年は佐々並と、過去の写真を元に現在をたどる展示会を11月に予定しております。
この『佐々並おいでん祭』には今回の成果とともに参上いたしますので多くの皆さま方にご覧いただけると幸せます。<yak>

[追記]今回使用の写真は、昭和43、44年実施の『阿武川ダム水没地域民俗資料緊急調査』(宮本常一団長)時の
記録(周防大島文化交流センター所蔵・借用)が対象。また、宮本常一著『私の日本地図 13 萩付近』 の「佐々並から藤蔵」の項で紹介されている。
d0046290_2151355.jpg

[PR]
by npomachihaku | 2012-09-22 11:40 | 学芸サポート・古写真班
<< 『土原一区・むつみ会へ出前~9... 『一枚の古写真』2012年8月... >>