民俗学者宮本常一さんの足跡を訪ねその「まなざしを追う」活動として大島に先日行ってきました。
島の渡船場について真っ直ぐに延びる坂道。
それは学校に、診療所に、郵便局に、そして台上の畑に行くのにはなくてはならない道です。
訪問した時には子供は学校です。
おばあさんが坂の途中のあちこちに腰を下ろしています。
鳥の巣を背負って台上の畑を行き来している姿は腰が90度に曲がっています。
そんな中、軽四トラックや多くのバイクが坂道を走っていました。
心なしか日頃耳にしている響きよりも大きく感じられます。
人も車もこの坂のせいで、膝や腰に、またエンジンやブレーキに負担がかかり、いずれはここかしこに支障が発生しているようです。
ところでこの道路の半分が台上からの水を流す水路になっていたとは?
暗渠になっているのでわかりませんでしたが、宮本さんの写真ではその記録も残っていました。
その島内の道路が歴史的に改善された様子が古い道路と記念碑とともに見て取れました。
台上ではタバコ葉の取り入れが済んで畑が整えられていました。
島の東方の赤穂瀬地区では稲刈りがほぼ終わって、稲がこんな形で乾かされていました。
宮本さんが約50年前に訪れた大島はその環境、生活様式の変化を感じますが、何よりも写真を通して対応した人達の
温かさはそのままであったと感じましたし、興味深く見ていただいたことで、いつか展示会など検討していきたいと思いつつ
島を後にしました。 (K)