学芸サポート・古写真班による四度目の見島訪問記です。
このブログでも折に触れてご紹介しておりますように、学芸サポート・古写真班の主な活動のひとつに 周防大島出身の民俗学者・宮本常一氏の残された写真の整理やその活用があります。 今回私たちはその活動の一環として今年も見島を訪れました。 50年前に宮本氏が撮影された見島地区の写真の現状確認、及び撮影が目的です。 日々ご指導いただいているS学芸員に加えて、今回は遠路はるばる宮本氏の出身地・周防大島文化交流センターより Tさんもご参加いただき、共に見島の地を巡ることとなりました。 二日前までの大雨ではたして見島行きは決行できるのか? その不安はどこへやら、定期船・おにようずを降り立った私たちを迎えてくれたのはぎらぎらの夏の陽ざし。 S学芸員持参の日焼け止めを拝借し、それぞれの班に別れて、いざ、活動開始です。 「初めての地に行ったら、まず高いところから全体を見おろす。 そうすることによって見えないものも見えてくる」 宮本氏の言葉のひとつです。 古写真にまつわる活動で高台に上がるたびにこの言葉が胸をよぎります。 宮本氏があの当時見つめていたものを、半世紀の歳月を経た今、こうして私たちがたどっています。 急勾配に息を切らしながらあちこちの道すがら見おろした島の光景に、50年前の宮本さんと、 そしてこの地で暮らしを営む島の人々に寄り添った活動ができればと、少々感傷的になりました。 写真のコピーに地図、そしてカメラ片手に島を巡る私たちに気さくに声をかけてくださる島の人たち。 「何しよるん?」 「えぇ~?昔の写真?まぁ~懐かしいね~」 「これは○○さんじゃろう。こっちは△△のあそこかいね~?」 「私らぁにはわからんね~。もっと年の人に聞かんにゃあ~」 この日は島のあちこちで同様の光景が繰り返されたことでしょう。 思わぬ出会いがあります。人と人はどこかで繋がっている…いつもそれを感じます。 私たちの小さな活動もこうして皆さまによって支えられているのだと、感謝の想いがあふれます。 <>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・ ◆当日のスナップより <>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・ ◆今回の話題から・・・ ・当時漁協専務をしていて宮本さんをご案内した宇津のYさんと出会い地域情報をお聞きできた。念願の宇津観音を訪問できて感激した。(Ko) ・今回初めての参加で予習が不十分であったがS学芸員の帯同で助けられた。 ジコウボウは事前の期待が大きかったが、 草に覆われて実際はまるで見れなかった。一方牛原墓地は写真と同じように見えた。(A) ・観音院の辺りが大変整備されていた。宇津海岸の土塀のある光景がかなり違って見えた。 また、地区内の石組みの組み方に他地との違いを感じた。見の口海岸に行けなかった。(M) ・今年で三年目、同行するだけのようになっているが、個人的にも見島への渡航機会もあるのでもっと意識してものを見るようにしていきたい。(Y) ・これまで以上に楽しく巡ることができ、今回初めて確認できたところもあった。 特に横浦でウニ採りが盛んにされていて丘から海人漁されるのに澗(ま)から出て行かれた光景を見て、丘へのアプローチは海へのアプローチがし易い と言うことをあらためて知らされた。滅多見ることができないヤツガシラの鳥は格別の付録であった。(S) ・まなざしを追う取り組みとして丹念に調査されているのに感激した。見島の特徴として一つに今だに溜池が現役で活用されていること感銘、 竹の種類が全然違うことを感じた。外から見ているとマダケ、モウソウダケかと思ったが、ハチク、ヒメダケが山を覆っていたり、 田んぼに葦が生えている状況は一次産業が残っているようで実際には壊れかかっているように、宮本さんの写真と比較しながら感じた。 宮本さんが見て感じられた、お墓の中で宝篋印塔を組み合わせて使われているのを見ることができた。(T) ・班長として段取りが悪くメンバーには辛い思いをさせたのではなかったのか? 反面全てをお膳立てせずに各々が苦労され解決されたことで成果があり達成感となったのではないか?(K) <>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・<>・ ◆宮本写真より (一部) ( 1962/9/6~7)
by npomachihaku
| 2010-07-30 18:16
| 学芸サポート・古写真班
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